労働問題のポイント | 山口県の不当解雇・未払残業代など労働問題のご相談は、弁護士法人牛見総合法律事務所

　まずは、どのような労働条件で契約がなされているかを確認する必要があります。労働条件通知書、労働契約書、就業規則を確認すれば労働条件がわかりますが、そのようなものがない場合には、例えば、ハローワークなどの求人の際の条件が、そのまま労働条件になっていることもあります。

　解雇予告を経た普通解雇であっても、解雇をする場合には合理的な理由が必要であり、合理的な理由のない解雇は無効です。また、懲戒解雇の場合には、就業規則に定める懲戒事由が必要であり、懲戒事由に該当しなければ懲戒解雇は無効です。

　労働時間は、休憩時間を除いて、原則として１日８時間・週４０時間以内でなければならないことになっています。
　また、毎週１日の休日を与えなければならないことになっています。これを超えて働いてもらおうと思えば、いわゆる３６協定を締結する必要があり、３６協定を締結せずに休日・時間外労働をさせることは違法です。

　１日８時間・週４０時間を超える労働、休日労働、午後１０時～午前５時までの深夜労働については、原則として２５％～５０％の割増賃金の支払いが必要です。
　仮に、労働条件で割増賃金は支払わないとされていたとしても、そのような約束は無効なので、時間外・休日・深夜の労働については、基本的に割増賃金を請求することができます。

　同じ会社に継続して６ヶ月以上勤務している場合、フルタイムであっても、パートであっても、法律で決められた日数の年次有給休暇が自動的に付与され、従業員が有給休暇の申請をすれば、会社は原則としてそれを拒むことはできません。

　ある従業員がセクハラ・パワハラをしていることを会社が認識した場合、会社はそのセクハラ・パワハラをやめさせ、二度とそのようなことが起こらないよう防止する義務があります。会社がセクハラ・パワハラに対応しない場合には、セクハラ・パワハラによって生じた損害について、会社に賠償請求をすることができます。 　

　労災保険の対象となっている方であれば、業務上のケガや病気について、労災保険の申請をすることができます。自分で労災申請をすることもでき、これを会社が止めることはできません。
　なお、会社には安全配慮義務という義務がありますので、労働災害が発生した原因が会社にもあると判断できる事案もあります。この場合、慰謝料など労災保険では補てんされない損害については、別途、会社に損害賠償請求をすることも考えられます。