【労災事故】感電・爆発・破裂・火災による事故の件数、多い業種、具体例を紹介
感電や爆発、破裂や火災を原因とした労災事故に巻き込まれると死亡リスクも高まります。日々危険な現場作業に携わっている労働者の方には、充分な注意が要求されます。
今回は感電、爆発、破裂、火災による労災事故がどの程度起こっているのか、どういった業種で頻発するのか、具体例を交えて山口の弁護士が紹介します。
1.感電、爆発、破裂、火災による事故の件数
感電、爆発、破裂、火災による事故とは、現場労働者等が作業中に感電したり爆発や破裂に巻き込まれたり火災に遭ったりする労災事故です。
平成30年労働災害発生状況の分析(厚生労働省)によると、平成30年には労災事故が全体で127,329件、死亡事故は909件発生しています。
そのうち感電による事故は126件、爆発による事故は64件、破裂による事故は44件、火災による事故は85件、合計すると319件が発生しています。
死亡事故に限ると感電によるものが13件、爆発によるものが7件、破裂によるものが1件、火災によるものが6件で、合計すると27件の労災死亡事故が発生しています。
2.感電、爆発、破裂、火災による労災事故が多い業種
感電や爆発、破裂、火災による労災事故が多い業種は以下の通りです。
1位 製造業
もっとも多いのは製造業です。平成30年には感電事故が39件、爆発事故が25件、破裂事故が16件、火災事故が32件、合計112件の労災事故が発生しています。2位 建設業
2番目に多いのは建設業です。平成30年には感電事故が47件、爆発事故が7件、破裂事故が8件、火災事故が36件、合計98件の労災事故が発生しています。特に感電事故と火災事故については製造業よりも多く発生しているので注意が必要です。3位 小売業
3番目に事故が多いのは小売業です。平成30年には感電事故が5件、爆発事故が2件、破裂事故が6件、火災事故が6件、合計19件の労災事故が発生しています。4位 飲食業
飲食業でもこうした類型の事故が多数発生します。平成30年には感電事故が3件、爆発事故が9件、火災事故が3件、合計15件の事故が発生しています。5位 清掃、と畜業
清掃、と畜業では平成30年に感電事故が5件、爆発事故が4件、破裂事故が1件、火災事故が3件、合計13件の事故が発生しています。3.感電、爆発、破裂、火災による労災死亡事故の多い業種
感電、爆発、破裂、火災による死亡事故が多い業種をみてみましょう。
1位 製造業
死亡事故がもっとも多いのは製造業です。平成30年には感電死が3件、爆発による死亡事故が4件、火災による死亡事故が4件、合計11件の労災死亡事故が発生しています。2位 建設業
2番目に多いのは建設業です。平成30年には感電による死者が5名、爆発による死者が1名、火災による死者が2名出ており、合計8件の労災死亡事故が発生しています。3位 商業
平成30年、商業では感電による死者が1名、破裂による死者が1名、合計2名の死者が発生しています。4位 清掃・と畜業、警備業
清掃・と畜業では爆発による死者が1名、警備業では感電による死者が1名発生しています。4.感電、爆発、破裂、火災による労災事故の具体例
4-1.感電事故
金属製品の製造会社で作業員がクレーン操作のためペンダントスイッチを点検している最中に感電した労災事故です。
作業中にペンダントスイッチのコードが巻き込まれてクレーンが動かなくなったため、被災者は予備のペンダントスイッチを使ってクレーンを操作し、破損したペンダントスイッチを取り外しました。しかし再びクレーンが止まったので停電しないままドライバーでペンダントスイッチを点検していると、感電しました。
4-2.感電事故
麺類を製造する工場で蛍光灯の増設工事中に発生した死亡事故です。
作業員がコードを接続するために圧着ペンチで挟んだとき、圧着ペンチの歯が絶縁スリーブを突き抜けたために感電しました。作業員が発見されたときには既に死亡していました。
当日、作業員は絶縁用ゴム手袋や絶縁靴等の絶縁用保護具を着用していませんでした。また作業員が使用していた圧着ペンチは、活線作業用に絶縁された工具ではなく通常の作業用のものでした。
現場で作業員に安全に関する指示も行われておらず、これまで安全教育が実施されたこともありませんでした。
4-3.爆発事故
被災者は中古の変圧器を分解する準備のため、変圧器の上に乗ってライターを使って開口部から内部を照らし出そうとしました。するといきなり爆発が発生し、被災者は地面に墜落して負傷しました。
変圧器の内部には洗浄に使われた「イソプロピルアルコール」が残留している状況でした。
4-4.爆発、火災事故
トナー工場内で化学物質を貯蔵していたタンクが爆発して火災が発生した労災事故です。付近にいた作業員4名が火傷などのけがをしました。
4-5.破裂事故
電線製造が行われていた事業場で作業員が圧力容器に蒸気を通したとき、のぞき窓のガラスが破裂したため被災者が破裂音によって難聴となりました。
破損したのぞき窓のガラスは、前日に蒸気漏れが発生したため予備のガラスと取り替えられたところでした。
4-6.破裂事故
作業員は、エポキシ樹脂の製造工場で原料の仕込み作業を行っていました。
赤燐を投入する作業を行っていたところ内部で火災が発生し、火がマンホールから噴出して被災者は身体の60%~70%に及ぶ重度のやけどを負いました。
病院に搬送されて皮膚移植等の治療を受けましたが、敗血症感染による多臓器不全で死亡に至りました。
4-7.火災事故
クリーニング工場で発生した火災事故です。
作業員が1人で洗濯機を作動させていると、突然、洗濯機の1台が火を噴いて瞬く間に作業場全体が火災に巻き込まれました。作業員は消火しようとしましたが、失敗してやけどを負いました。また火が工場全体に広がったため、逃げ遅れた他の2名の作業員も火傷をしました。
当時、洗濯機にはセンサーと警告ブザーがついていましたが、災害発生時は故障しており作動しませんでした。また現場では初期消火や避難方法等についての措置も定められておらず、避難訓練も実施されていませんでした。
感電や爆発、破裂、火災事故に巻き込まれたら労災保険の申請をして適切な補償を受ける必要があります。会社に責任があれば、損害賠償請求も可能です。
労災事故に遭われたら適切な補償を受けるために、まずは山口の弁護士までご相談下さい。
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