【労災】墜落・転落事故の件数や事例について
労災事故は、墜落や転落が原因となるケースが非常に多くなっています。
今回は墜落や転落による労災事故がどの程度発生しているのか、死亡事故はどのくらいあるのか、どういった業種で転落・墜落事故が多いのか、具体的な事例を交えて山口の弁護士が紹介します。
1.墜落や転落事故の全体的な件数
墜落や転落による事故とは、高所から転落したり海や河川に転落したりして発生する事故です。危険度が高く、被害者が死亡するケースも多いので注意が必要です。
平成30年労働災害発生状況の分析(厚生労働省)によると、平成30年における労災事故の全体件数は127,329件、うち死亡事故の件数は909件となっています。
そのうち墜落や転落による事故の件数は21,221件、死亡事故も256件となっており相当な割合を占めます。
2.墜落や転落事故の多い業種
墜落や転落事故の多いのはどういった業種なのか、件数の多い順にご紹介します。
1位 建設業
平成30年において墜落や転落事故がもっとも多かったのは建設業です。全体の墜落・転落事故の件数が21,221件であったところ建設業における墜落、転落事故は5,154件に及び、約4分の1が建設業において発生している状況です。2位 陸上貨物運送業
2番目に多かったのが陸上貨物運送業です。平成30年における墜落、転落事故の発生件数は4,410件となっています。3位 製造業
3番目に多かったのは製造業です。平成30年における発生件数は3,031件でした。4位 小売業
墜落や転落事故が4番目に多いのは小売業です。物の運び出しなどの際に墜落、転落するケースがみられます。平成30年における発生件数は1,680件でした。5位 清掃、と畜業
5番目に多いのは清掃やと畜業です。平成30年における発生件数は1,229件でした。3.墜落や転落による死亡事故の多い業種
墜落や転落によって労働者が死亡することの多い業種は以下の通りです。
1位 建設業
墜落や転落による死亡事故が圧倒的に多いのは建設業です。全体の墜落・転落による死亡件数が256件であるのに対し、建設業が136件となっており半数以上を占めます。 建設業では高所で作業するケースが多いので、転落や墜落すると即死亡につながりやすいことが影響しています。事故防止のため、安定した足場作りや安全設備の整備などに務める必要があるといえるでしょう。2位 製造業
2番目に墜落・転落による死亡事故が多いのが製造業です。件数的には29件となっています。3位 清掃、と畜業
3番目に死亡事故が多いのが清掃やと畜業です。清掃業務では高所で作業することも多いことが影響していると考えられます。4位 陸上貨物運送業
4番目に死亡事故が多いのが陸上貨物運送業です。荷物の積み卸しの際などに転落、墜落して事故につながります。平成30年における発生件数は14件でした。5位 接客、娯楽業
接客や娯楽業でも墜落や転落による死亡事故が発生しています。平成30年における発生件数は10件でした(うち飲食業は2件)。4.墜落や転落事故の具体的事例
墜落や転落による労災事故にはどういった事例があるのか、具体例をご紹介します。
4-1.運送業
海に隣接した事業所において、重さ10トンのタンクローリーで魚油の運搬を行っていた労働者のケースです。労働者がタンクローリー内で休憩していたところ、タンクローリーが勝手に前方に動き出して労働者を乗せたまま海に転落し、労働者は命を失いました。タンクローリーに歯止めが使用されておらずサイドブレーキも引かれていなかったことが痛ましい事故の原因となりました。
4-2.清掃業
4階建の建物の窓を外側から清掃している最中に転落し、11.60m下の地上に打ちつけられて労働者が死亡したケースです。脚立を立ち上げるために使われた庇には0.33mの立ち上がりしかなく、安全帯も使用されていなかったことが事故の原因となりました。
4-3.と畜業
労働者はフォークリフトを使って養鶏場から鶏を運び出す作業に従事していましたが、鶏が入ったラックを荷台の端に載せたときに荷台が傾き労働者が約2m下のコンクリート地面に転落しました。ラックも同時に落下し、地面で跳ね返って労働者の上に落ちたため、労働者は下敷きとなって死亡に至りました。
4-4.建設業
橋梁の工事を行っていた作業員が橋の下に潜り込んで足場の作業床を解体していましたが、床の開口部から水深3mの川に転落して、溺死しました。
4-5.建設業
マンションの大規模修繕工事で足場の解体作業をしていた労働者が死亡したケースです。労働者は解体した資材の受け渡しを担当していましたが、解体役の作業員から資材を受け取るために移動した際に足場から地上に転落しました。
4-6.建設業
小学校の耐震補強工事現場における死亡事故です。労働者は校舎2階のコンクリート壁を斫る作業をしていましたが、バランスを崩して後ろ向きに床へ転倒し、頸部を強く打ちました。当初は命に別状はないと判断されましたが、その後容体が急変して死亡に至りました。
転落や墜落事故では、被災者が死亡するケースも多いので、まずは事故予防に努めるべきといえます。
万一労災事故に巻き込まれたら、労災保険の申請をして各種の給付を受ける必要があります。また会社へ損害賠償請求できる事案も少なくありません。山口で転落や墜落による労災事故に遭われたら、すぐに山口の弁護士までご相談下さい。
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